<労働災害事例> 厚生労働省
職場のあんぜんサイトから抜粋
<事例1> 足場解体部材搬出作業中、熱中症にかかり、多臓器不全で死亡
概要 : 午前9時~12時・・・会社の資材置き場で足場部材の整理、休憩室で1時間昼休み。
午後トラックで移動、午後2時半頃から足場の解体作業および足場材をトラッ
クに積み込む搬出作業を行なった。
現場は当日朝から暑く、最高気温が37.4度に達する猛暑だった。被災者の服装
は、ポロシャツ、ジーパン、薄手の作業用ベスト。30分ほど作業した時、非常
に気分が悪そうに見えたので同僚が1時間ほど日陰で休ませた。
午後4時頃から作業を再開したが、足元がふらついて危険だったので現場監督者
が日陰の場所で再び休ませた。5時頃から、吐き気を催し症状がひどくなったの
で救急搬送、熱中症と診断され、その後多臓器不全のため死亡した。
<事例2> 草の刈払い作業中に熱中症にかかり、死亡
概要 : 杉植林地の下草の刈払い作業中に発生した。
午前10時から約20分の休憩をとった。この時麦茶を入れて凍らせたペットボ
トルが班長から1本ずつ渡されたが、凍っていたため被災者は約1/3を飲み残
した。
11時30分頃、班長と同僚が昼食のため休憩地点に戻ったが、被災者が戻らな
いので探したところ、意識がもうろうとした状態で倒れている被災者を発見
した。
直ちに救急車を呼び病院に搬送したが、約10時間後に熱中症のため死亡した。
被災者は長袖の綿のTシャツ、綿の作業ズボン、保護帽、軍手をしていた。
この日は、無風快晴で午前10時には既に29℃近くまで気温が上昇し、湿度が
73%の状態だった。
<事例3> 道路改修工事中に熱中症にかかり、死亡
概況 : 8月の炎天下、道路の路肩のコンクリート部分をブレーカーではがして2トン
ダンプトラックに載せて搬出する作業を行なっていた。朝から作業が進み午前
10時30分から道路脇の木陰で少し休憩した後、ブレーカーのアタッチメントを
バケットに取り替える作業を行い、12時から1時まで近くの民家のビニールシ
ートで覆った車庫で昼食した。
昼食後、被災者はトラックを運転して同僚1名とともにコンクリート破片を2回
捨てに行き、午後3時30分頃現場に戻った。それからトラックに破片を手作業で
積み込む作業を開始したが、10分ほど経過した時に被災者がトラックのバック
ミラーをつかんでフラフラしているのを上司が見つけ声を掛けたが返事が明確
にできない状態だった。
上司はすぐに車庫で5分ほど寝かせたが回復する様子がないので車で病院に移送
した。約1時間後に熱中症で死亡した。